ハーブとしての利用
ペパーミントやスペアミントなどのハッカ属は、古代ギリシア、ローマで浴用香料として、また食物や飲料の風味付けに使われた[3]。ローマ人がイギリスに持ち込んだハーブの内、ハッカ類は一番の人気を保ち、9世紀に修道院の庭で栽培されていた[3]。ペパーミントは、西洋では古くから軽い病気の薬として、健胃、制吐、抗痙攣、発汗を促して体を冷やす、病後の回復などの目的で使われた[4][5]。
精油の利用
精油やこれに含まれるメントールは、イギリスでは消化不良や気管支炎、過敏性腸症候群の治療薬として、いくつかの医薬品に使われている[6][7]。ただし、過敏性腸症候群への有効性には疑問が残るといわれる[8]。また、局所麻酔や筋肉痛時の反対刺激剤としても用いられる。アロマテラピーでは気分をリフレッシュさせる、高揚させる、落ち着かせる、またニキビや皮膚炎、喘息、消化不良、歯痛など様々な効能が唱えられている。2011年時点では、アロマテラピーでいわれる精油の効能は科学的に証明されていない[8]。
毒性
精油は皮膚に対して刺激性がある可能性があり、紅斑性皮疹、頭痛、徐脈、筋肉の震顫および運動失調などの過敏性反応が報告されている[8]。特発性心房細動、喘息の悪化を引き起こした例がある。メントールを含む軟膏を使用したことによる呼吸器の強い痛みや、少数ではあるがチアノーゼも報告されている[8]。ミントティーによる幼児の中毒例(うち1例は死亡)[8]があるが、これはプレゴンを多く含む種であるペニーロイヤルによるものと考えられる[9]。